福満景子のホームページ

第4回 アナウンサーになるために

essay_title

第4回 アナウンサーになるために

「フリーアナウンサーって何をしているんですか?」

という質問をよく投げかけられます。

実は、フリーアナウンサー、と一口に言っても、全く一人で独立して活動している人は少なく、大なり小なりどこかの事務所に所属している場合が大半を占めています。所属事務所から番組オーディションなどの案件をいただき、仕事をする派遣のようなスタイルです。

また、フリーアナウンサーの仕事はよほど著名や人気でオファーがある場合を除いて、仕事は書類選考にかけられ、書類通過後にオーディション(カメラテストなどの実技+自己PRなどの面接)を受けて採用が決まります。また、その後はテレビやラジオで人気の番組をかけもちし多忙を極めるフリーアナウンサー(少数派)もいれば、大半が1回1回の単発の仕事が次につながっていくフリーアナウンサーもいます。

私は紛れもなく後者なので、正に一期一会と思ってありがたくキャスターやリポーターを務め、時には司会やナレーターを務め、映画やドラマにアナウンサー役で出演することもある何でも屋に近い、面白い体験がいっぱいの日々です。

そんな私の仕事のきっかけは、20年前。NHK鹿児島放送局でキャスター・オーディションに運良く受かったことです。「私が放送局でしたいこと」というテーマで作文を書き、履歴書を同封して応募しました。ドキドキでしたが、どこか肝が据わっていた、というかありのままの自分をぶつけてダメなら仕方ない、その時はOLに専念しようと決めていました。( OL時代のエピソードはいづれ、また。)

そんな一大決心をして一歩踏み出した、懐かしい思い出の季節が今年もやってきました。

ずばり、春からの新しい番組キャスターを選ぶ季節の到来です。

もし、今、アナウンサーに憧れ、NHKが好きで、NHKで活躍したい!という方がこのホームページを見ていたとしたら、それはまさしく運命かもしれません。NHKはちょうど、これからの時期に全国各地の放送局でキャスターを公募します。あなたが学生でも、OLでも、看護師でも教師でも、挑戦する意思、踏み出す勇気さえあれば、門戸の広いオーディションは可能性に満ちています。明日のNHKの顔は皆さんかもしれないのです。

実際にNHKの放送局でキャスター・リポーターとして約4年奮闘した私からのささやかなアドバイスを、もし聞いていただけるなら2つだけ用意して、オーディションに臨んでください。たった2つでいいんです。1つは、好奇心いっぱいアンテナを張ること。ジャーナリストとして、世の中の動きに関心を持って、テレビニュースや新聞または書籍などから学び、自分なりの視点を持つことが大切だと思います。そして、もう一つは協調性です。番組はチームワークが命の現場なので周囲とのコミュニケーションを上手く図る心がけです。

今現在は他局でもお世話になり、お仕事させていただいていますが、私にとってNHKは特別な存在なのです。フリーアナウンサーとしての原点であるNHKへの思いはどこか初恋に似ています。最初に好きになった人を越えられない、そんな愛おしさがNHKにあります。いつかご縁をいただいて再びNHKの番組が担当できるようになったら、自分らしく全力で取り組めるように、日々、知識や表現法、コミュニケーション能力を磨いていきたいと思っています。

ですから、アナウンサーを目指している皆さん。皆さんは私にとって同じ夢に向かっている同士でもあります。やりがいのある奥が深い仕事です。その夢を叶えましょう。ぜひ一緒にいい番組作りの一員となって、がんばりましょう。いつか現場で「ホームページを読んでオーディションに挑戦したんですよ」という新人アナウンサーにお会いすることができたら、とても素敵だな〜とふんわりと空想にふけって、夜が更けていきます。

最後に、キャスターオーディションについての質問は、経験者として分かる範囲で誠心誠意、答えていきますので、コンタクト欄よりメールでお問い合わせください。皆さんの新しい道が明るい方へ導かれますように、心から健闘をお祈りしています。

(2012.10.23掲載)

PAGETOP